
AIや生成AIを始めようとすると、GPU選びで必ず出てくるのが「VRAMはどれくらい必要なのか?」という疑問です。
GPUの性能ばかりに注目してしまいがちですが、AI用途ではVRAM容量が最重要と言っても過言ではありません。
実際に「GPUは高性能なのにVRAM不足で動かない」「学習途中でエラーが出る」といった失敗は非常に多いです。
本記事では、AI・生成AIに必要なVRAM容量の目安を初心者向けに分かりやすく解説し、8GB・16GB・32GBで何ができるのか、その違いと選び方を具体例とともに紹介します。
VRAMとは?AI・生成AIで重要な理由
VRAM(Video RAM)は、GPU専用のメモリです。
AIや機械学習では、以下のようなデータをVRAM上に展開して処理します。
- 学習データ(画像・テキスト)
- ニューラルネットワークの重み
- 中間計算結果
AIモデルは非常に大きなデータを扱うため、VRAMが不足すると処理自体ができません。
特に生成AIや大規模言語モデル(LLM)では、
モデルサイズが数GB〜数十GBになることもあり、VRAM容量がボトルネックになりやすいのです。
なぜAIではVRAM不足が致命的なのか
VRAMが不足すると、次のような問題が発生します。
- モデルをロードできずエラー(OOMエラー)
- CPUメモリへの退避で極端に低速化
- 学習が途中で停止する
これはGPU性能の問題ではなく、純粋にVRAM容量不足が原因です。
そのため、AI用途では「性能が高いGPU」よりも「VRAMが十分なGPU」を優先すべきケースが多くなります。
VRAM容量別にできること・できないこと
8GBのVRAMでできること・限界
8GB VRAMは、現在ではAI用途としてはかなり厳しい容量です。
できること
- 小規模な推論
- チュートリアルレベルの検証
- 軽量モデルの動作確認
できないこと
- 本格的なAI学習
- 画像生成(高解像度)
- LLMの学習・微調整
AI初心者が8GB GPUを選ぶと、「思ったより何もできない」という結果になりがちです。
16GBのVRAMでできること(初心者に最適)
16GB VRAMは、現在のAI・生成AI用途で最もバランスが良い容量です。
できること
- AI学習の基礎
- Stable Diffusionなどの画像生成
- 小〜中規模LLMの推論・微調整
- 実用レベルの検証・開発
多くの初心者〜中級者にとって、16GBあれば「やりたいことが一通りできる」と感じられるでしょう。
32GBのVRAMでできること(上級者・研究向け)
32GB VRAMは、主に研究用途や業務用途向けです。
できること
- 大規模言語モデル(LLM)の学習
- 高解像度画像生成
- 複数モデルの同時処理
- メモリ制限を気にしない開発
ただし、価格も非常に高く、初心者が最初から選ぶ必要はほぼありません。
VRAM不足でよくある失敗例
失敗① GPU性能だけで選んでしまう
「高性能だから大丈夫」と思って選んだGPUでも、
VRAMが少ないとAI用途では使い物にならないことがあります。
失敗② 将来の拡張を考えない
最初は問題なくても、モデルサイズが大きくなると
すぐにVRAM不足になります。
👉 余裕を持ったVRAM選びが重要
初心者におすすめのVRAM容量は?
結論として、AI初心者には 16GB VRAMを強くおすすめします。
- 失敗しにくい
- 用途の幅が広い
- コスパが良い
8GBは不足、32GBは過剰になりやすいため、16GBを基準にGPUを選ぶのが最も現実的な選択です。
VRAM容量から考えるGPU選びの考え方
VRAM容量を基準に考えると、GPU選びが非常にシンプルになります。
- 学習・入門 → 16GB
- 実践・生成AI → 16〜24GB
- 研究・業務 → 32GB以上
この考え方をベースにすると、GPU選びで大きく失敗することはありません。
AI・生成AI向けGPU全体の選び方はこちら
VRAM容量を踏まえた AI・生成AI向けGPUのおすすめ比較は、
以下の記事で初心者向けに詳しく解説しています。
👉 【2025年版】AI・生成AI向けGPUの選び方|初心者におすすめのGPUを徹底比較
まとめ
AI・生成AI用途では、GPU性能以上に VRAM容量が重要です。
- 8GB:非推奨
- 16GB:初心者〜中級者・実践向けの最適解
- 32GB:上級者・研究用途
まずは自分の用途を整理し、VRAM不足で失敗しないGPU選びを意識しましょう。


